<夢の浮世4> 旅は道連れ世は情けA

 


 では今日は「旅は道連れ世は情け」の2時間目。今日はノートの問いを考えてみる事にしよう。でもその前に、前の時間の復習をやっておこうね。

江戸時代は旅が流行っていたんだけど、どこに行くことが流行っていたんだっけ?。

「伊勢参り!」「伊勢神宮!」 そうだね。ところでそれは何をしに行く旅なの?。「御参り!」「御願い事をしに行く!」 そうだね。神社やお寺にお参り

して、何かお願いしてくるという旅だったんだ。ところで旅人は途中どこに泊まったの?。 「宿屋!」 そう。その宿屋が集まったところを何と言う?。

「宿場!」「宿場町!」 そうだね。みんなの住んでいる二子・溝口の町も江戸時代の宿場町だ。江戸と京・大坂を結ぶ「東海道」の裏街道であり、大

山に御参りする旅人でにぎわった道路である「矢倉沢往還、またの名を大山街道」の宿場町だったんだ。

東海道っていうのは、教科書のp135の地図をみてごらん。

 この、江戸から太平洋沿いに西に向かって名古屋を通って、京都、大坂まで続く道だ。

「裏街道って何?。」 ああ、良い質問だ。裏街道と言うのはね、表街道にたいする裏街道。表街道は主に参勤交代の大名行列のためにつくられ

たので、大名行列が通っていると旅人や荷物を積んだ車は通れない。「あっつ、下にーい、下にーい、っていうあれ?」 そう。だから大名行列にわ

ずらわせられないで一般の旅人が通るための道が裏街道っていうんだ。神奈川県内には東海道の裏街道が3本通っていたんだ。一本目が武蔵小

杉のところを通る「中原街道」。2本目が溝口を通る「大山街道」。3本目が登戸を通る現在の「町田街道」だ。

 ところで宿場町って宿屋しかないのかな?。「どんなお店があったかっていうこと?」 そう。それもある。

「靴屋!」「靴なんてはかないぞ!。なんで靴屋なんだ。」「旅をするには履くものがいるじゃないか。」「じゃあ、草履屋だ。」「草鞋屋じゃあないの」

うん。そうだね。他には何が必要?。「食べ物屋!」「傘屋!」「かっぱ屋!」・・・・「あっつ、両替屋!」「なんだっけ、それ」「お金を替えてくれるところ

だよ」「なんだ。銀行か」 そう。両替屋もあったね。まだまだあるぞ。「他にもお店があるの?」 お店というのかな?。ほら、昔の旅ってさ、結構怖い

ものあったと思うんだ。「あって、山賊?」「追いはぎ!」「強盗!!」 そうそう。そういうのを防ぐには?。「警察署が必要だ!」 そうだね。警察。当

時は番屋といってね。宿場町を警備する役人が詰めていたんだ。それに当時の宿場は街道沿いの両方の出入口に「木戸」という門があってね、夜

定められた時間になると閉めちゃうんだ。そして朝決まった時間にならないと開かない。その門の横に番屋があったんだ。「ふーん。結構安全だった

んだね。」 そうみたいだね。

 そして旅の途中でつかれたらどこで休むんだっけ。「茶店!」 そうだ。疲れて歩くのがいやになったらどうする?。「籠に乗る!」「馬に乗る!」

そうだね。また大きな川で橋がないところはどうやってわたったの?。「人足におぶってもらう!」「蓮台に乗せてもらう!」 そうだね。でそれはどうや

ったら乗れるの?。「お金を払えばいい!!」 そういうことだね。そうやって江戸時代の人は旅をし、大名だけでなく庶民も御参りなどの旅に出かけ

たというわけだ。

 じゃあ。いよいよ問題だ。「江戸時代、庶民が旅行できるようになったのはなぜだろう?」。さあ、みんな考えてごらん。考えたらノートに自分の考え

を書こう。

(しばらくして・・・・・)

 では、どんなことが考えられるかな?。「暮らしが楽になってきて、旅をする余裕が出てきたから」 なるほど。他には?。「楽しいことがしたかったか

ら」 えっ、なんで?。「働いてただけじゃつまんないじゃんか」 そりゃあ、そうだ。でも楽しい事ができるには?。「暮らしが楽でないと無理!!」 

そういうことだね。でも確かに旅って楽しいね。途中で良い景色も見れるし、・・「おいしいものも食べられる!!」 そうだ。そして一緒に行く気の合っ

た仲間があれば最高だね。「なんで?」「一緒におしゃべりできるじゃないか」「あっ、そうか」「だから旅は道ずれ・・・・っていうんだ」「まるでぼくたちみ

たいだね」 ぼくたちって?。「ぼくと○○くん」 ああ、いつも自転車であっちこちいくんだ。「そう、そう」 なるほど。旅は楽しいからするんだ。他には

どんなことが考えられる?。

 「宿場ができて便利になったから!」「両替屋もあってお金もたくさん持ってなくても旅ができる!」 なるほど。「それに街道が整備されていて川に

橋があったり、ないところは人足や蓮台もある!」「宿場には番屋もあって安全だ!」 なるほど。旅をするのに便利なものが整えられたってことだ

ね。実は他人も便利なものがあるんだ。なんていうのかな、村中の人でお金を積み立てておいてそれを両替屋に預けて増やしてもらい、その利子や

詰みたて金の一部を使って毎年何人かが旅に行くしくみがあったんだ。「へえー。便利だね」 うん。便利だ。旅の行き先別に団体があってね、伊勢

参りが目的なら「伊勢講」。大山参りが目的なら「大山講」。富士登山が目的なら「富士講」っていうんだ。「へえー、富士山にまで登ったの。何しに?」

日の出を拝みにいくんだね。それに山頂には神社もある。「へえー、知らなかった」

 じゃあ、みんなの意見をまとめてみよう。

板書事項

○庶民が旅をできるようになったのはなぜか?

@暮らしが楽になって旅を楽しむ余裕がでたから。

A旅をするのに便利なものが整えられた。
      〔1〕街道の整備・・・・宿場町(宿・番屋)や橋

      〔2〕お金の整備・・・・両替屋など

      〔3〕「講」の開始・・・・お金を積み立てて行く

 こうやって庶民でも旅をできるようになったんだね。ところで質問。この、街道を整備し宿場や番屋を設け、川には橋をかけたりしたのは誰だ?。

「幕府!!」「大名!!」 おそらくそうだろうね。ところで幕府や大名は何のために街道などを整備したんだろう?。

「参勤交代のため!!」 参勤交代って何だっけ?。「・・・・・・大名が1年ごとに交代で江戸に詰めるので、1年ごとに江戸と領地を往復すること!」

そうだ。よくわかっているんね。最初はそのために設けられた街道だったけど、だんだん商人や旅人が利用するようになったんだね。だから、あの宿

場や川にあって駕籠や馬、そして人足や蓮台を手配するお店は武士専用だったんだ。何て言ったっけ。「問屋(といや)!」 そうだね。

 でもさ、今の話しは歩いて旅した話だけど、さっきの地図をよく見ると、伊勢まで行くのにもっと早いものがあるんだけどわかるかな?。伊勢神宮は

東海道を少し離れたところにある「山田」というところにあるんだけど・・・・。

 「あっ、船で行くのかな?」 そう船。江戸から船でいって伊勢神宮に一番近い港はどこかな?。「・・・・・鳥羽!!!」 そうだね。鳥羽。そしてこの

地図にあるように、日本全国あちこちに港ができて、そこを結んでたくさんの海路が出来ている。江戸時代は船で行くのが最も便利だったんだ。

ところでさ、海や川を船で行くにはなにを作る必要がある?。「港!!」 そう。港。港ってなにするとこ?。「船をとめるとこ!」 なんのために?。

「荷物を載せたり降ろしたり、人を乗せたり降ろしたり」 まだあるんだよ。「ええっつ、わかんないよ!」 そう。港はね嵐などに会ったときに海や川が

安全になるまで避難するところでもあるんだ。他に船の安全を図る施設って?。「・・・灯台!!」「そんなのあったの?」 あったさ。「遠くまで照らす電

気も?」 それはない。でも火をたいたんだ。「へえー」

 ところでこの港や灯台は誰が作ったの?。「幕府!!」「大名!!」 そうだね。じゃあ、何のため?。

「参勤交代!!」 うん。それもあるけどね。とくに江戸から遠い大名は途中までは海路を使ったことはたしかだが、もっと違う目的があるんだ。船っ

て陸を行くのと便利さでどこが違う?。「早い!!」「荷物をいっぱい運べる!!!」 そうだ。そこだ。船は人間を運ぶためより、荷物を運ぶために

ある。じゃあ幕府や大名が船で運ぶ荷物って何だ?。「わかんないよ! ヒント!!」 じゃあ。ヒント。大名や将軍や武士たちって、どうやって生活に

必要なものを手に入れていたの?。「年貢!!」「農民から年貢をとる!!」 そうだね、。でも年貢ってなにで納めるの?。「米!!!」 じゃあ米だ

けで暮らせる?。「暮らせない!!」「服もいる!」「家もいる!」「道具もいるよ!!」 そうだ。そういうものはどうやって手に入れるの?。「お米を売

ってお金にして手に入れる!!」 そうだね武士・大名・将軍は年貢米から自分たちの食料を引いた残りを売ってお金にしてそれで必要なものを買っ

たんだ。で、この時代に日本中の品物が集まった町があったね。「天下の台所!!」 どこの町だっけ?。「・・・大坂!」 そうだ。大坂だ。実はこの

海路は年貢米を大坂に送りそこで得たお金で買った品物を江戸や領地まで運ぶために作ったんだよ。最初は大坂に年貢米が集まったんだけど後

には江戸でも売られるようになったんだ。そのための海路だったんだよ。じゃあ、最後にノートの一番したの問題をやってみよう。

(問題)■交通路の整備

@幕府や大名は江戸を中心に街道を整備し、途中に宿泊や休憩のための〔     〕を置きかごや馬を使える〔      〕を置いた。


これは大名が江戸と領地を往来する〔         〕のため

A幕府や大名は川や海の海上交通を整備した

                
    
これは〔        〕を江戸や大坂に送って売買するため

 街道に置かれた宿泊や休憩のためのものって?。「宿場!!」 じゃあ、かごや馬を使うためのものって?。「問屋!!」 そうだね。ではこれらの

もの整備したのは何のため?。「参勤交代!!!」 よし。次。海上交通を整備したのは何を送るため?。「年貢米!!!」 よし。今日はこれでおし

まい。次回はなんで庶民の暮らしが楽になったのかということを庶民の中の農民の暮らしを例にして考えてみます。

 


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