地獄の沙汰・・・関連書籍集
書名 一揆
著者名 勝俣鎮夫
出版社・出版年 岩波書店(新書)1982年刊
内容・目次  はじめに
 1.一揆とは何か
   1 一味同心
   2 一味神水
   3 列参強訴
 2.共同の世界
   1 在地領主と一揆
   2 村と一揆
 3.変身と変相
   1 百姓一揆の出立ち
   2 逃散の作法
 4.変革の思想
   1 徳政一揆
   2 世直し一揆
 おわりに
解説  本書は、「一揆」の「正統性の主張」やそれの基づく「力」の行使の論理が、一揆を行う人とそれを認める人々にとって、どのような根拠があるのかという問題意識から、一揆とは何かという問いを追求したものである。
 著者は一揆とは、通常の手段では実現不可能と考えられたことをなす場合に、「一味神水」という手続きをして「一味同心」の心をもった人々の集団のことをさすとする。従ってこれは、一揆に参加する人は現実社会の地位や集団から離れ、自らを神の手にゆだねることを意味し、一揆の決定は、神の意志ということを意味するとする。そしてこの性格ゆえに、これは何も庶民階層の専売特許ではなく、昔から多くの人々にとってなしうることであったことを、鎌倉幕府のおける評定会議のありさまを描写することで論証する。
 最終章の「変革の思想」は、江戸時代までの一揆を、さまざまな変革の思想の結実したものとして捉えようとするもの。
値段 380円

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