つるばみの衣関連書籍集
史料名 1、全現代語訳日本書紀(上)(下)

2、全現代語訳続日本紀(上)(中)(下)

出版社名 講談社学術文庫
解説  「大化の改新」や「壬申の乱」そして「白村江の戦い」などの原史料を読むには日本書紀。
また「大仏建立」関係は続日本紀がくわしい。
 どちらの史料もかなり生の資料を載せているため当時の人の肉声が伝わってくる。詔は
もっと形式的なものかと思ったら結構天皇の肉声が綴られ、その生の息吹や考え方が直
接伝わってくる。この二つの史書の編纂目的という「偏光フィルター」をはずして歪みを正
す作業すらしておけば、当時の姿を復元するには最適の史料。

 おもしろいのはこの二つの史書の名前。両者は連続する時代をあつかい、続日本紀は
日本書紀の続編のはず。なのに「続日本書紀」とならなかったのはなぜか。
 この疑問には「日本紀」という史書があったという事実を考えに入れれば氷解する。
 日本書紀にはたくさんの史料が引用され「一書に曰く」という形でその出典はあまり明ら
かにされていない。でも所々に「日本紀」というその本来の書名が出てくる。これこそ「続日
本紀」に先行する正史としての「日本紀」なのだ。そしてそれは倭国の正統王朝である太
宰府に都を置いた「九州王朝」によって編纂されたものだ。
 続日本紀を編纂した平安時代の天皇・貴族は、そしてそれを読んだ天皇・貴族は皆知っ
ていた。「日本紀」こそが最初の正史なのだと。だからその続きとして「続日本紀」を書いた
のだ。
 なぜか。彼らおよび彼らの先祖は皆九州王朝の貴族であったから。「天皇家」もそうであ
った。天武天皇は「真人」という貴族の最高の位を持っていた事は「日本書紀」にも見えて
いる。
 かれらにとって「日本書紀」、大和王朝による「正史改竄の書」であることは自明の理で
あったのだ。

値段 日本書紀(上):1050円。(下):1050円。
続日本紀(上):1150円。(中):1200円。(下):1250円

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