発刊にあたって


 考古学研究部が麻生地区の古代の歴史を研究し始めてから,10年の歳月がたちました。1977年に,当時の社会研究クラブのメンバーの一部に

よって,歴史研究部として発足したのがその始まりでした。しかし発足当初は,研究活動といっても何もなく,開店休業といった状態でした。この状況

に変化を与えたのが,1977年12月の「麻生台横穴古墳群」の発見でした。

 この年の社会研究クラブの活動の中では,1年前に製作した「古墳時代の柿生」と題したスライドが上映され,そこでは東京都町田市三輪地区の

横穴古墳群が紹介されていました。このスライドを見た1年生が,通学路の途中にあたる麻生台団地の給水塔横の工事現場で,横穴古墳らしきも

のをみつけ,クラブの時間に話題になったのが切っ掛けでした。すぐみんなで調べにいき,教育委員会の文化財係に連絡して確認してもらいまし

た。そして翌年1978年の2月にこの古墳は専門家の手で発掘調査がなされました。

 麻生台横穴古墳群の調査を手伝った社会研究クラブのメンバーは,その後,付近の住民に「他に穴がないか」訪ねてまわる中で,麻生地区,とり

わけ下麻生・早野・王禅寺地区に多くの横穴古墳があることを発見し,その調査活動に入っていきました。そしてこの研究活動の中で,メンバーの

多くが歴史研究部に入部し,その後部の名前も考古学研究部と改名して,今日に至っているわけです。

 それ以後は,麻生地区の横穴古墳の研究を中心として,土器片の採集や,古代人の衣服や食物の研究などをやっていました。そして,1985年の

早春に, 麻生地区の横穴古墳の調査活動が一応の完成を遂げた事を契機として,今までの研究を基礎とした,新しい分野へと研究の中心を移すこ

とになりました。

 1985年の4月からは,部全体をいくつかの研究班に編成し,各々が違った研究テーマの持って,班の責任者を中心にその研究活動を行う体制へ

と変更し,文化祭で研究発表をすると共に,部の研究雑誌を発行しようということになりました。この時設けられた研究班は4班で研究テーマは次の

とおりです。

@王禅寺伝説班。−−−王禅寺の開闢の由来を研究。1984年の4月から開始。
A不動尊班。−−−麻生不動尊の由来などについて研究。1985年の4月から。
B亀井城班。−−−亀井城の由来について研究。1985年の4月から。
C昔の人の生活班。−−−原始以来の食物・衣服を研究。1984年の4月から。

○研究雑誌第1号は,昨年10月の文化祭に発表したものをまとめてみました。今後も毎年1冊はだしていきたいと思います。拙い内容ですが,読ん

 でいただいて,御批判・御意見を寄せていただければ幸いです。  

○考古学研究部・部員・班員名簿。

@王禅寺伝説班   ◎讃岐 賢一2)・増田 直弘3)・大矢 夏目2)・鶴井 和2)・林  正弘1)・上田 卓矢1) 
A不動尊班      ◎鈴木 勇二2)・青山 寛文2)・柏木  茂1)・臼井 宗胤1) 
B亀井城班      ◎小島 基樹2)・土屋 興司2)・伊藤  悟1) 
C昔の人の生活班 ◎福田 徳子3)・森口 共子3)・稲葉 麻千子3)・高城 佳代子3)・鈴木 知子3)・田中 伴美3)・谷岡 弥生3)・深津 千尋1) 

○考古学研究部顧問    川瀬 健一                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                      川崎市立柿生中学校考古学研究部機関誌


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