<つるばみの衣>F 一枝の草一握りの土
教師:じゃあ今日は、これについて考えてみよう。(写真を黒板に貼る)
生徒:「また大仏の話?。」「何やるの?」
教師:うん。今日はね。当時の資料に基づいて、なぜ大仏は造られたのかということと大仏にどのような想いが込められているかを考えてみたいと思
います。
生徒:「病気や災いをなくすんじゃあなかったの?。」
教師:教科書にはそう書いてあるけどね。・・・・・・それが本当かどうか資料に基づいて考えてみよう。・・・まず復習。ノートの最初の問題をやってみて
ごらん。
(各自ノートの復習問題に取り組む)
●奈良の大仏について:【 ・ 】が人々に命じた。 約【 】年の年月と、のべ【 】万人の人が働いて完成 |
教師:確認できたかな?。・・・・じゃあいこう。大仏を造るよう人々に命じたのは誰?。
生徒:「天皇!」「聖武天皇!!」「あれ?。もう一人あるな?」「光明皇后!!」「あっつ、そうだね。」
教師:で、何年かかったんだっけ?。
生徒:「6年!!!!」
教師:そうだね。6年。そして、延べ何人の人が働いて造ったのかな?。
生徒:「260万人!!!!」
教師:そうだね。じゃあ、なぜ大仏は造られたのか。造らせた聖武天皇の言葉が残っているので、これを読んで「聖武天皇が大仏を造ろうと思った理
由」を考えてみよう。(資料9:大仏建立の詔を配布する)
<つるばみの衣> 資料H:大仏建立の聖武天皇の詔(みことのり)(天平15年10月15日) 私はたいして立派な人間でもないのに天皇の位をうけつぎ、国中の人々を救うことを目標に して、民にたいして思いやりの心を持ってのぞんできた。しかし、全国のすべての人々が、そ の恩恵に恵まれたわけではない。 そこで、仏の教えの力にたより、自然界も人間界もともに安泰となり、のちのちまでの幸せ を願う事業を行って、この世に生きるすべてのものが長く栄えることを願いたいと思います。 天平15年(743年)10月15日をもって、毘盧舎那仏(るびしゃなぶつ)の金銅の像を一体お造りす ることにする。国中の銅をつくして像をつくり、大きな山を削って仏堂を作り、ひろく仏の教 えを全世界に広めることで、私も国中の人々も、皆おなじように仏さまに救われ、仏の教えを 心から信じる気持ちになるようにしたい。 この国の富すべては私のものであり、この国の人々のすべてを動かす力を持っているのも私 である。この富と力をもってすればこの像を造るのは簡単だが、すべての生き物が仏に救わ れ、仏の教えを信じるようにしたいという私の願いを実現することは,私の富と力をもってし ても難しい。 ただ像をつくることに懸命となり、人々を苦しめたのでは、この仕事の神聖な意義を人々が 感じることはなくなり、仏像をつくることをうらむようになっては、かえって人々が仏の教え を信じなくなり、地獄におちることになるのではないかと恐れる。 したがってこの事業に参加するものは、毎日三度毘盧舎那仏(るびしゃなぶつ)をおがみ、日々の 仕事を行うようにせよ。 またもし、一枝の草や、一握りの土のようなわずかなものでも寄付して、仏を作る仕事に協 力したい者がいれば、その願いを許そう。 国・郡の役人たちは、この仏を造る事業のため、人々の暮らしを乱したり、無理に物資を取 り立てたりすることがあってはならない。 国中の人々すべてにこの私の言葉を広め私の考えをすべての人々に知らせなさい。 (続日本紀しょくにほんぎより) |
(各自資料を読んで、聖武天皇の気持ちを考え、ノートに記入する)
教師:では、それぞれの意見を発表してください。・・・・・□□さん。
生徒:「はい。仏の教えの力により、自然界も人間界もともに安泰となるように願って大仏を造ったのだと思います。」
教師:はい、ありがとう。・・・・・はい、△△くん。
生徒:「はい。聖武天皇は民にたいして思いやりの心をもってのぞんできたのだけど、うまく行かないので、仏の力で、この世に生きるすべてのもの
が長く栄えるようになることを願って大仏を造ったのだと思います。」
教師:なるほど。自分の政治がうまくいっていないということだね。・・・・はい、○○さん。
生徒:「はい。聖武天皇は大仏をつくることで、みんなが仏の教えを心から信じる気持ちになるようにしたいと考えたのだと思います。」
教師:なるほど・・・・。
生徒:「はい。先生!!。質問があります。」
教師:はい。××くん。なんですか。
生徒:「あのー。大仏って金属でしょ?。」
教師:そうだよ。銅でつくって金メッキしてある。
生徒:「ですよね。その金属でできた大仏にお願いして何になるんですか?。」
生徒:「また××はくだらないこと言って。幼稚園みたいのは引っ込め!!」
教師:まあまあ。そう言わないで。けっこう××くんの意見って大事だよ。もっと詳しく聞いてみよう。いいかな××くん。?。
生徒:「はい。えーっと。みんなはいろんなことをお願いするために大仏をつくっているんですよね。」
教師:そうだね。自然界と人間界が安泰にとか、この世の生き物全てが長く栄えるようにとかね。
生徒:「でしょ。・・・でも大仏って金属でできた、ようするに作り物じゃあないですか。そんな作り物にお願いして何の意味があるんですか?。金属の
大仏が何か御願いを聞いてくれるんでしょうか?。」
生徒:「そうか!!」「えっつ、何言ってるの?」「お前わかんないのか。金属でできた大仏が御願いを聞いてくれるか?って聞いてんだよ。」
教師:そう。そういうことだね。・・・・・みんな。××くんの質問にどう答える?。
(みんなちょっと考え込んでいる)
生徒:「はい。意見があります」
教師:はい。○○さん。どうぞ。
生徒:「私はこう思います。みんなは仏様っていうか神様に御願いをしているわけでしょ。いろいろな御願いを。」
教師:そうですね。
生徒:「でも、神様って仏様って、姿が見えないじゃあないですか。」
教師:そうだね。
生徒:「えっつ、神様とか仏様って本当にいるの?。」
生徒:「昔のひとはいると考えたってことでしょ」
教師:そうそう。昔の人はいると考えてお願いをしたわけだ。
生徒:「でも、神様仏様って姿が見えないってことは、ほんとうにいるのかとか、ほんとうに御願いを聞いてくれるのかって不安じゃあありませんか。」
教師:なるほど・・・。そう言われるとね。
生徒:「だから、見えない仏様の姿を金属でつくって、その金属の仏様にお願いする事で気持ちを落ち着け、どこかにいる本当の仏様に御願いをす
るっていうことだとおもいます。だから、金属の大仏が御願いを聞いてくれるわけじゃあない。」
生徒:「なるほど。・・・・そういうことか。」
教師:××くんは今の○○さんの説明で納得いったかい?。
生徒:「はい。わかりました。」
教師:良い質問だったね。おかげで昔の人が神様仏様をどう考えていたかまでわかったね。・・・じゃあ、すこし話しを進めよう。
聖武天皇はいろいろな御願いを仏様にするために大仏を造ろうと思ったわけだけど、その理由は、どうも彼の政治がうまくいっていないとか、な
んか世の中がうまくいっていないという感じだね。・・・では聖武天皇に大仏をつくらなきゃと思わせた、原因となった出来事って一体なんだろう
か。奈良時代の出来事を書いた年表を配るので、これを読んで考えてみてください。(資料I奈良時代の出来事を配布する)
<つるばみの衣>資料I:奈良時代の出来事
|
教師:自分の考えが書けたかな?。・・・・・・・じゃあ班にして意見をだしあい、まとめられたらまとめてください。
(班にして討論)
教師:そろそろ、まとまったかな。・・・・・・・・じゃあ発表してもらおうか。・・・・はい。4班。
生徒:「はい。うちの班では、疱瘡やいろいろな病気がおこって多くの人が死んだので、これをなくそうとしたのではないかということになりました。」
教師:なるほど。疫病の流行ね。・・・・・他には?。・・・・はい。5班。
生徒:「はい。4班の意見もそうだけど、都をつくるなどの大工事が続いたため、労役で都に来た人たちが帰りに飢え死にすることが増えた事も大仏
を造った原因だと思います。」
教師:なるほど。都をつくるなどの工事の負担が大きすぎたということかな?。・・・・・他には・・・・はい。1班。
生徒:「つけたしなんですが、飢饉がはやって多くの人が死んだことも原因の一つではないかと思います。」
教師:なるほど。で飢饉って何かな?。
生徒:「はい。雨が降らなかったり変な天気が続いて作物がとれず、たくさんの人が死んだりすることです。」
教師:そうだね。他の班は・・・・2班・3班・6班は?。
生徒:「2班は4班と同じ意見です。」
生徒:「3班も他の班ででたのと同じ意見です。」
教師:じゃあ6班は?。
生徒:「はい。うちの班はいろんな意見がでてきてまとまりません。一つは飢饉や疫病が流行ってたくさんの人が死んだからということで、これがうち
の班の多数意見なんですが、他に天皇の位をめぐり争いが続いたことが一番大きな原因という意見があって、まとまりませんでした。」
教師:その天皇の位をめぐる争いが続いたことが一番の原因という意見を詳しく説明してください。
生徒:「じゃあ、□□くんに説明してもらいます。」
生徒:「はい。聖武天皇が位についてから何度も天皇の位をめぐって争いが続き、何人もの人が自殺に追い込まれたり追い出されたり反乱したりし
ています。特に740年の藤原広嗣の乱では、疫病や飢饉が広まったのは聖武天皇の性だと言って責任をとってやめろとまで言われていま
す。聖武天皇はこれがつらくて大仏を造ったんじゃないですか。」
教師:なるほど。飢饉や疫病の責任を取れと言われた事ですか。
生徒:「飢饉や疫病って天皇の責任なんですか?。」
教師:どう言う意味ですか?。××くん。
生徒:「雨が降らないとか病気が流行るとかは自然に起こる事でしょ。そんなことまで天皇の責任にされたらやんなっちゃうよ。」
生徒:「そうだよな!」
生徒:「でもどうしてそれを天皇の責任にされたんだろう?。」
教師:おっつ、良い質問だぞ。どうして飢饉や疫病の流行を天皇の責任にしたのか?。みんなはどう考える?。
(みんな頭をかかえている。・・・・やがて)
生徒:「はい。意見があります。」
教師:はい。○○さん。どうぞ。
生徒:「昔の人は病気の原因ってわかんないじゃあありませんか。私たちはばい菌とかいろんなことを知ってるけど。それに雨が降らない原因なんか
もっとわかんないと思います。それで天皇って王様でしょ。・・たしか王様って神様みたいな人だと思われていたと思います。原因がわからない
悪い事が続いたから全部神様の性にされ、神様みたいな人である天皇の責任になったんじゃあないかな?。」
生徒:「おーっつ。すごい説明!!」
生徒:「そんなのないよ。先生本当のところはどうなんですか?。なんで天皇の位をめぐる争いが続いたんですか?。」
教師:それはね。今○○さんが言ったことも正しいんだけど、天皇の性にされた直接の原因は聖武天皇には後継ぎの男の子がいなかったということ
なんだ。
生徒:「なんで後継ぎがいないと問題なの?。」
教師:そこなんだけどね。天皇は神様の代理として人々の御願いを神様に伝える役なんだけど、もう一つ大事な仕事が、その神様の代理の仕事を
引き継いでくれる息子を作る事だったんだ。」
生徒:「天皇には天皇の息子じゃあないとなれないの?。」
教師:そう。なれない。まあ孫でもいいので、要するに天皇の血を引いている人である必要があったんでしょう。天皇の血を引いた人しか神様の代理
ができないと当時の人は考えたんだろうね。ところが聖武天皇と光明皇后との間のたった一人の男の子は生まれてすぐ死んでしまったんだ。
それで聖武天皇には後継ぎがいない。だから問題になったんだね。それで他の天皇の血を引いた人たちが次の天皇に立候補してきたんだ。
たとえばそれが長屋王であり葛城王、そして橘奈良麻呂だったんだ。要するにおれが天皇の位を変わるから聖武天皇は天皇をやめろってこと
だね。そしてね740年の藤原広嗣の乱は、その年に聖武天皇のもう一人の息子が死んだんで、完全に後継ぎがなくなった天皇がいつまで天
皇をやってるから神様が怒って飢饉や疫病を流行らせているんだという理由をつけて武力で天皇をやめさせようとした事件だったんだ。
生徒:「へえーっつ、じゃあ天皇やめろってことと飢饉・疫病は関係があったんだ。」
生徒:「でも、もう一人の息子がどうして早く天皇にならなかったの?。」
教師:当時はね今の天皇が死なないと交替はできないんだよ。それにその息子は御母さんの身分が低いんで貴族たちが次の天皇候補とは認めて
いなかったんだ。でも一応天皇の息子だ。第1の候補者だね、その息子すら死んでしまったんだからもう聖武天皇と光明皇后には夢も希望も
なくなったというわけだよ。
生徒:「じゃあ。天皇の後継ぎがいなくなって天皇をやめなければいけなくなってそれで大仏造ったの?。」
教師:そう。そのとおり。天皇と皇后は大仏をつくって仏様にある御願いをしようとしたんだよ。
生徒:「えっつ、何の御願い?。」「息子が欲しい!!!ってこと」「ほんとか?。」
教師:当たりです。息子が欲しいっていうのが天皇と皇后の願いだったと言われているよ。
生徒:「じゃあ、飢饉とか疫病とか民がたくさん死ぬとかは関係ないんだ。」
教師:そうだね。直接関係はないね。
生徒:「なーんだ。民のことを考えて大仏造ったのかと思ったけどそうじゃないんだ。」
教師:そう。当時の人。特に貴族たちには聖武天皇の心の中は見え見えだったんだ。
生徒:「じゃあ、貴族たちは大仏づくりに協力しするはずないじゃあないか。」
教師:なるほど。では農民たちは協力するかな?。・・・・・・・・・・・はい。△△さん。
生徒:「私は協力しないと思います。だって天皇は自分のことしか考えてないんだから。ばかばかしくて・・・・」
生徒:「はい。違うと思います。」
教師:はい。○○くん。
生徒:「貴族は聖武天皇の本当の考えを知っていたと思いますが、農民たちにまでそれは伝わっていないと思います。だから農民たちは大仏を作る
事で飢饉も疫病もなくなせると思って一生懸命働いたと思います。」
教師:おっつ、意見が二つに割れたね。さあ、どうだろう。他には?。・・・・はい。××さん。
生徒:「私は天皇の本当の考えは農民は知らなかったと思うけど、これだけ飢饉や疫病がつづき、その上労役が厳しくてたくさんの人が死んでいる
んだから、これ以上働きたくないとおもって協力しなかったと思います。」
教師:なるほど。そう言う考えもあるね。さあ、みんなはどう考える?。どっちだろう。農民は大仏づくりに協力したかしなかったか?。・・・・・さあ手を
上げてみよう。どっちだ!!(協力しないのほうが協力するより多いかな?)
教師:なるほど。貴族も農民も理由は違うけど大仏づくりには協力しない。・・・・でもそれじゃあ天皇は困っちゃうね。じゃあ、もう一つ問題。「天皇は
どうやって人々の気持ちを大仏づくりに向けただろうか?」。はい、どうする?。
生徒:「無理矢理力づくでやらせるとおもいます。牢屋にいれるぞって脅したりして。」
生徒:「いや。賄賂をおくって大仏づくりに協力をお願いしたと思う」
生徒:「違うよ!!力づくだ!!!」
生徒:「違う!!賄賂だ!!」「金をやれば喜んでやる!!!」「飢饉だから食料でもいいんじゃあない?。」
教師:さあ。またまた意見が二つに割れたね。・・・・・さあ、どっちだ。手をあげてみよう!!!(賄賂と力づくが半々!!)
生徒:「どっちが正解なの?。」
教師:それはね、この資料を読んでみよう。(資料Jを配布する)
<つるばみの衣> 資料J:人々の気持ちをどうやって大仏つくりに向けたか? ○大仏造りに参加した人には賃金と食料が払われていました。食料としては働く人には毎日 玄米(げんまい)を平均して2升(しょう)配り、この人たちを監督する人には1升4合(ごう)ほ どを配りました。この米は毎日炊いて配られ、季節ごとの野菜や木の実などと,味噌やし ょうゆや海草などもそえられていました。 そして全国の村から労役で来た人にも、米・銭・布などが渡されました。 ○大仏造りに自分から協力した人もたくさんいました。その一人の行基(ぎょうき)は、国から は正式のお坊さんとして認められてはいなかったのですが、自分の弟子たちを率いて、大 仏造りのために金品の寄付を求めたり、事業に参加するよう呼びかけました。 豪族の生まれの行基(ぎょうき)は、仏の教えを広めながら、自分の一族の渡来人たちの協 力を求め、各地で、橋を作ったり,池や溝を掘り、人々のためにつくしていました。その ため行基のよびかけには多くの人がこたえ、朝廷は行基を大僧正(だいそうじょう)(お坊さん の中で一番偉い位)につけ、さらに多くの人の協力ができるよう願いました。 (日本人はどのように建造物をつくってきたか「奈良の大仏」より) ○聖武天皇は貴族や豪族が大仏づくりに寄付をするかわりとして、人々が自分の力で開墾し た田んぼを永久にその人の財産にしてよいという法律(墾田永年私財法こんでんえいねんしざいほ う)を743年の6月に出しました。 そして貴族の一位の位のものには500町(1町は一辺132mの正方形)、二位のものには 400町、三位のものには300町、四位のものには200町、五位のものには100町、六位以下 八位以上のものは50町、それいかの庶民には10町まで墾田を自分のものにして良いと定め た。(続日本紀しょくにほんぎより) |
生徒:「ほらみろ!!!。賄賂じゃあないか。」「食料やお金もあげている。」「位まであげているよ!」
教師:そうだね。それにすごいのが墾田永年私財法だ。自分の力で山や森を切り開いたり、水路を作ったりして荒地を開墾して田んぼにした人には
身分に応じてその田んぼを自分の物にしていいというもんだ。奈良時代の律令制では土地は誰のものだったっけ?。
生徒:「天皇!!!」「国!!!!」
教師:そうだね。天皇または国のもの。それを大仏づくりに寄付するかわりに自分のものにしていいとは。
生徒:「すごい賄賂だね。」
教師:そうだね。・・・・じゃあ最後の問題。「大仏をつくったことでもうかったのはだれだろう」。答えてみてください。
(各自自分の考えをノートに書く)
教師:じゃあ、発表してください。・・・・・・・・・☆☆さん。
生徒:「寄付する代わりに広い田んぼを自分の物にできた貴族や豪族だと思います。」
生徒:「はい。それもあるけど、大仏づくりで賃金や食料をもらった農民も儲かったと思います。飢饉で食料がなかったのだから。」
教師:なるほど。
生徒:「じゃあ、損したのは天皇だけだ。・・・・大仏つくって男の子できたの?。」
生徒:「馬鹿言え。そんなんで子供が出きるか。」
生徒:「先生どうなの?。」
教師:うん。残念ながら子供は出来なかった。・・・そのかわりに天皇の娘と他の天皇の血を引いた人を結婚させて孫が生まれるのを願ったんだけ
ど、それも聖武天皇が生きている間には出来なかった。
生徒:可哀想!!。丸損じゃあないですか。
教師:そうだね。・・・・・ということで、今日の授業はおしまい。次の時間は奈良時代という時代について考えてまとめよう。